日本で流通している和牛、黒毛和牛といのは
大部分がこの
黒毛和種である。○○牛とスーパーやレストランで見かけるブランド牛肉はほぼこの
黒毛和種である。
基本的にブランド牛はこの
黒毛和種を日本各地で育てて、育った場所の地名を付けたものである。
ブランド牛肉は勘違いしている人も多いのだが、特別な牛の品種ではない。
この
黒毛和種の最大の特徴はいわゆる「
霜降り」と言われるキメの細かな筋肉の中に入り込んだ、業界で言うところの「サシ」が非常に多いのが特徴である。
日本人はこの「
霜降り」を非常に好む。といのも代表的な日本料理である「しゃぶしゃぶ」や「すき焼き」には、この霜降り肉が非常に合い、輸入牛肉のような赤身肉は適してはいない。
また料理の見た目を重んじる日本料理に、
黒毛和種は味と見た目が揃った最高の食材とされ、日本の農家は昔から
霜降り度合いを競ったのである。
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・戦後まずは牛乳第一!
戦後は国民に良質な
たんぱく質源を供給するために、まず国は牛乳の生産振興を図る。
よくお爺さんが言ってたもので「牛一頭で駅前の土地が300坪買えた」。それほど高価なもので、今のように肉にする余裕は全くない。牛乳の大切さは給食に牛乳が出ることでわかるであろう。
・裕福になると肉
日本が高度経済成長で裕福になってくると、国民は肉が高くても食べたくなる。昔は輸入牛肉は輸入制限されていたので、和牛はいたが数は少なく、国民の欲求を満たすことが出来ない。
そこで次に何が起こったかというと本来牛乳を絞る目的の牛の
ホルスタインを肉用に育て始めた。
牛乳を絞るだけなら雄は要らない。乳が出るのは人間と同じ雌だけである。
要らない雄は子牛のうちにと殺され肉になっていたのだが、日本が裕福になって外国から家畜用
穀物が買えるようになると、自国にある今まで不必要とされていた
ホルスタインの雄を肉用に育てることが出来るようになったのである。
・雄は去勢
雄牛はそのまま育てて肉にしても肉は硬く、臭みがあって美味しく食べられない。種雄になる以外は全て去勢される。これは国産牛全てに言えることだ。
また後述するが一般的に雌牛の方が味が良い。去勢する事によって雌牛に近づけることが出来る。
ホルスタインは牛肉を搾る為に存在する品種であって、肉用の品種ではない。となると輸入牛肉の肉用の品種に負けてしまう宿命にある。例えば今なら流行りのアンガス種とか。今は日本人のありがちな「国産牛信仰」に助けられて生き残っているだけの存在である。私なら迷わず輸入牛肉の肉用種を食べる。
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○交雑種
交雑種の歴史は比較的浅い。今から約40年ほど前からだろうか。交雑種というのは、いわゆる理科で習ったところのF1種でありる。基本的には
ホルスタインの雌に
黒毛和種を掛け合わせたものだ。正確には他の組み合わせもあるのであるが非常に数は少ない。
この交雑種が生まれた背景には和牛ほど値段が高くなく、品質が和牛に近いものとしての位置づけであった。
F1ということからわかるように基本的には一代種であり、その後継は雄雌にかかわらず
無いものと考えて良い。つまり肉用として一代で終わる品種である。
・交雑種はハーフ
交雑種は簡単に言えばホルスタイン種の母と黒毛和種の父を(上述のように大部分)
持つハーフである。よく言うとホルスタイン種は体格に優れているので、その良い点
黒毛和種は当時体格は良くなく「霜降り」に優れているので、この2つの良い点を合わせたものだ。
・交雑種は偽物?
この交雑種、このわかりにくい名称から、なんとなくうさんくさい感じの印象を長らく
受けている。肉質も黒毛和種に近いこともあり、「黒毛和種を騙して売っている」との
感じがするのであろう。
これが日本人の一番悪いところで、名前でしか物の値段を判断できないから、そのよう
な話が出るわけで、極端な話黒毛和種よりも美味しければ、価格は黒毛和種を上まわっ
ても不思議ではないが、現在価格形成は黒毛和種→交雑種→ホルスタイン種というようになっている。
交雑種は国産牛の重要な一角を担う立派な品種なのである。
・交雑種の特徴
交雑種は黒毛和種の血が混ざっているだけに、味は和牛に近いものもある。価格も和牛に比べ安いので、価格の高い黒毛和種に比べれば、比較的リーズナブルに良い味が楽しめるのではないだろうか。
http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/tikusan/bukai/.../03_3.pdf
この資料がわかりやすいので添付しておく。
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