〇日本の牛肉について
日本の牛肉は一般消費者にとって非常に分かりにくいものだ。よく話題に出る「〇〇牛」「〇〇牛」とは何なのか?
何故高いのか安いのか?美味しいのか不味いのか、日本人の悪いところだが名前のイメージや(ブランド)、先入観だけで価値判断をしてしまうところがある。つまり値札だけで美味しい不味いを決めてしまう。実際にはそんな事はないのだ。筆者は長年焼肉店経営、食肉や生産の現場に携わってきたが、今回このブログを通して本当に美味しい牛肉とは何かという事を紹介していきたい。
〇日本の牛の種類
・我々が食している国産牛の品種
日本の我々が食している牛肉の品種は
〇黒毛和種
〇交雑種
〇ホルスタイン種
主にこの3品種に大別される。
その他にもこの絵を見てわかるように様々な品種があるのだがめったに食されることは無い。少ないのには理由がある。牛は基本的に経済動物だから飼っても農家が儲けることが出来ないから少ないのだ。
つまり畜産物としても高く売れないから淘汰された品種なのだ。もちろん数量が減りすぎれば希少性が出るわけで今後数量は減り止まりはするであろう。
・希少性に騙されるな
この黒毛和種、交雑種、ホルスタイン種以外の品種はたまに希少性を謳って売っている。これは昔に生き残れない何らかの理由があって減ったものであり、決して数が少ないことに対する対価を払うものでない。
もちろん非常に美味しいというならお金を払う価値があるだろうがこれだけ数が減少した事には、そこまでの理由が無いからであろう。
ただ、珍しくものを食べたいという需要はあるわけで、そういう人たちの為にはまだまだ
生き残るであろうと考えられる。
〇日本の牛肉の品質基準の決め方
・日本格付け協会が決める基準
牛の価値は何によって決められるのであろうか?それは美味しさでなく「見た目」である。この見た目は
☆どれだけ霜降りが入っているか?
である。
今現在牛肉の価格はこの格付けの上位の牛ほど高値で流通される。
日本人の食べ物を見た目で判断する、またそれしか出来ない産物であろう。これが世界の「和牛」といわれるものの実態である。
見た目=味は日本人の悪い判断基準だ。
本当に良いものを作る国が日本である。これを作る側も忘れてはいけない。
・見た目と味の関係
牛肉の美味しさは見た目と必ずしも比例はしない。見た目は霜降りがどれだけ入っているかで、果物のような明らか味のわかる指標とは違いうのである。また料理の用途によっても人間の感じる味は全く変わったものとなってくる。
霜降りは味でなく「脂肪そのもの」だからだ。牛肉の脂肪を上手く使って作る料理こそ和牛の最高の力を発揮する。
決して霜降りは万能でなく、それが評価基準になってはいけないのである。